「問い合わせが減った」「受注競争が厳しくなった」と感じる工務店経営者は少なくありません。その背景には、新設住宅着工戸数の構造的な減少があります。本記事ではデータから原因を整理し、これからの工務店経営が取るべき具体策を解説します。
日本の新設住宅着工戸数は、1980年代後半のピーク時と比べて2025年には約55%減少しました。2026年に入ってからも前年割れが続いており、2025年1〜4月の262,707戸に対し、2026年同期は239,592戸と、約9%の減少となっています。都道府県別に見ると、人口が増加する首都圏では減少率が比較的緩やかな一方、地方では減少幅が大きく、地域による差も広がっているのが実情です。
参照元:国土交通省|令和7年度 住宅経済関連データ(https://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html)
参照元:スターツCAM株式会社|2024年の住宅着工戸数が公表 ~新設着工戸数の見方と2025年の見通し~(https://www.starts-cam.co.jp/guide/article144.html)
新設住宅着工戸数の減少要因は、短期的な要因と長期的なトレンドに分けて捉える必要があります。
短期的には、住宅地の地価が4年連続で上昇し、建築資材や人件費も高騰していることが挙げられます。実際、2024年の新設住宅着工戸数は792,098戸で前年比3.4%減となり、2年連続の減少となりました。
ただし、住宅を取得したいという需要そのものが冷え込んでいるわけではなく、価格の抑えられる中古住宅への成約件数はむしろ増加傾向にあります。加えて、都市部を中心に住宅用地やマンション用地の供給不足も、新設住宅の着工を抑える一因となっています。
一方、長期的には日本の人口減少が最大の要因です。総人口は2008年をピークに減少に転じており、2025年には2008年比で460万人以上減少しました。国の推計では2070年に総人口が8,700万人程度まで落ち込むとされており、住宅需要そのものが構造的に縮小し続けることは避けられません。
さらに、2025年4月からは建築基準法・建築物省エネ法の改正により省エネ基準への適合が義務化され、申請業務の煩雑化や工期の長期化によるコスト増も、着工数を下押しする要因になると見られています。
参照元:スターツCAM株式会社|2024年の住宅着工戸数が公表 ~新設着工戸数の見方と2025年の見通し(https://www.starts-cam.co.jp/guide/article144.html)
新築住宅の着工数が減少する中、従来の営業スタイルを続ける工務店には、集客面での限界が見え始めています。
これまで多くの工務店は、ポスティングチラシや新聞折込、OB顧客からの紹介によって問い合わせを獲得してきました。しかし現在では、年齢層を問わずインターネット利用率が9割を超え、SNSやWebサイトから情報収集する消費者が主流となっており、従来型の集客方法だけでは十分な反響を得にくくなっています。
さらに、資材費や人件費の上昇分を販売価格に転嫁しにくいという構造的な課題もあり、多くの工務店が利益を削りながら受注を維持せざるを得ない状況に置かれています。
こうした状況を踏まえると、工務店には「新築を売る」経営から「住宅ストックを支える」経営への転換が求められます。
住宅リフォーム市場は、短期的には巣ごもり需要の反動でやや縮小するものの、長期的には拡大が見込まれています。野村総合研究所の予測では、広義のリフォーム市場は2040年に約8.9兆円まで成長するとされ、この背景には日本の住宅ストックそのものの高齢化があります。
1991〜2000年に建てられた約1,047万戸の住宅は、設備の更新や大規模な修繕を必要とする時期に差しかかっており、住宅ストック全体の平均築年数も2013年度の22年から2040年度には33年近くまで延びると予測されています。つまり、新築の受注が減っても、既存住宅の維持・改修という形で住宅需要そのものはなくならないということです。
新築中心の経営から、既存顧客との関係を長期的に維持し、リフォームや点検といったストック型の収益源を育てる経営へと軸足を移すことが、これからの工務店経営における現実的な選択肢になります。
参照元:野村総合研究所(NRI)|2040年度の新設住宅着工戸数は58万戸に減少、2043年の空き家率は約25%まで上昇する見通し(https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/20240613_1.html)
参照元:技研商事インターナショナル|住宅リフォーム需要と市場分析~データで勝つリフォーム事業戦略~(https://www.giken.co.jp/column/home-renovation/)
新築の受注が読みにくくなる中、アフター業務の体制をどう維持するかは多くの工務店にとって悩みの種です。
定期点検の日程調整や点検実施、報告書作成、簡易補修までを専門業者に代行してもらうことで、繁忙期だけ外部委託する、特定の点検回だけ依頼するといった柔軟な運用が可能になります。これにより、これまで固定費としてかかっていた点検業務の人件費を、必要な分だけの変動費としてコントロールできるようになり、限られた人員でもアフター業務の負荷を軽減できるでしょう。
実際に点検代行を導入した工務店では、社内スタッフと遜色のない品質の点検サービスを維持しながら、担当者をコア業務やリフォーム提案に集中させることに成功しています。
参照元:ジャパンホームシールド|住宅点検のアウトソーシングで社内の負荷軽減と業務効率に貢献(https://service.j-shield.co.jp/housing/periodic_inspection/lp/outsourcing)
定期点検は、単にクレームを防ぐための業務ではなく、次の受注につながる重要な接点でもあります。
ある工務店では、24項目に及ぶ点検チェックリストを活用し、床下や屋根、外壁、内装などをきめ細かくチェックしながら、点検の際に見えた顧客の困りごとやニーズをその場で拾い上げ、リフォームの提案につなげています。
実際に、アフターフォローを強化した結果、それまで小規模な工事が中心だった顧客から、500万円を超えるリノベーションの相談が短期間で複数件寄せられるようになった事例もあります。点検を「点検で終わらせない」仕組みをつくることが、新築減少期における新たな収益源の確保につながります。
引用元: リフォーム産業新聞|【実態調査】定期点検から500万円超のリフォームにつなげる工務店の戦略(https://www.reform-online.jp/news/reform-shop/19380.php)
新築着工数の減少は一時的な現象ではなく、人口減少という構造的な要因に支えられた長期トレンドです。工務店が今後も経営を安定させるためには、新築依存から脱却し、アウトソーシングなどを活用してアフター業務を効率化しながら、ストック型の収益源を育てていくといった視点も必要となるでしょう。
施主に費用を請求するシステムのため、コストをかけずに点検サービスを導入可能。施主とのやり取りもすべて対応するので、人件費もかかりません。
専用のWEBサイトにより点検履歴をリアルタイムで確認できます。
リスクを早期発見し、リフォームが必要なお宅への営業アプローチもかけやすくなります。
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入居者向けコールセンター業務を主事業とし、多様な問い合わせに対応。点検日程の変更や急な要望にも24時間365日スピーディに応えられる体制が整います。
賃貸物件でよくある水道・電気・ガス設備などの故障トラブルに駆けつけてくれます。
その場で簡単な応急処置を行い、管理負担を軽減してくれます。
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電気工事業認可などの資格者が専有部メンテナンスを実施。ライフラインの特徴を把握し、経年劣化を早期に発⾒。建物の資産価値低下を防ぎます。
共用部点検はもちろん、理事会の運営支援や総会のサポート、会計業務支援まで幅広く対応可。複雑化しがちな組合業務を助けてくれる頼もしいパートナーです。
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