無償点検で見つかる修繕、どこまで無料で対応すべきか。線引きの基準を整理します。
無償点検の場で見つかった軽微な修繕を、その場の判断で毎回無償対応してしまうと、対応範囲が際限なく広がり採算が合わなくなります。一方で、細かな不具合まで安易に有償請求すると「小さな修理ですぐ料金を取られた」と口コミで評判を落としかねません。
アフターフォローは長期的な信頼と紹介案件を生む重要な接点であり、線引きの一貫性がそのまま顧客満足に直結します。基準が曖昧なままだと担当者ごとに対応が異なり、施主の間に不公平感やトラブルが生まれてしまう点にも注意が必要です。
線引きの出発点は法律です。住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第94条により、新築住宅を請け負った事業者は、引渡しから10年間、「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」の瑕疵について無償で補修する責任を負います。
国土交通省の政令案では、対象となる構造耐力上主要な部分として、基礎・基礎ぐい・壁・柱・小屋組・土台・斜材(筋かい、方づえ、火打材など)・床版・屋根版・横架材(はり、けたなど)が明示されています。
雨水の浸入を防止する部分としては、屋根・外壁、屋根や外壁の開口部に設ける戸・わくその他の建具、雨水を排除するために住宅に設けられる排水管のうち屋根・外壁の内部または屋内にある部分が対象です。
これらの部位に生じた瑕疵の補修は「有償にしてはいけない」領域であり、無償対応が法的義務であることを社内で共有しておく必要があります。
参照元:e-Gov 法令検索|住宅の品質確保の促進等に関する法律(https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000081/#Mp-Ch_7-At_94)
参照元:国土交通省(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/policy/publiccomment/hinkakuseirei/2.htm)
品確法の対象外の不具合は、経年劣化か施工不備かで扱いを分けます。まず経年劣化に該当するものは有償が原則です。内壁などに一般的に使われるビニルクロスの耐用年数は約7~8年とされ、築10年前後で目立ってくる浮きや色あせ、継ぎ目の開きの多くは経年劣化に起因します。
木造住宅特有の乾燥収縮や下地材の変形、幹線道路や鉄道による振動、台風や地震の揺れで生じるクロスの小さな亀裂やヨレも同様に経年変化の範疇です。加えて、設備機器の消耗、日常使用による摩耗、入居者の使い方に起因する傷や汚れも、有償扱いになるのが一般的といえます。
参照元:住宅あんしん保証(https://www.j-anshin.co.jp/column/reform/a101)
一方で、原因が施工にある可能性が高いもの、構造耐力や防水性能に影響するものは、品確法の10年保証の対象となり得るため無償対応が原則です。
具体的には、内壁や天井仕上げのひび割れや欠損が下地材(合板、石こうボード等)まで達している場合、床の傾きが1,000分の6以上確認された場合、天井や開口部まわりに雨漏り跡が見られる場合など該当する可能性が高いといえるでしょう。
また、小屋裏点検口から確認できる小屋組材の割裂や広範囲の雨漏り跡、床下点検口から見える床梁材の割裂や配管漏水痕なども、構造・防水性能に関わる不具合として無償で補修すべき事象です。
参照元:住宅あんしん保証(https://www.j-anshin.co.jp/column/reform/a101)
建具の建付け調整、コーキングの打ち直し、微細なクロスの浮きなど、経年劣化とも施工不備ともつかないグレーゾーンは、現場で担当者が悩みやすい領域です。
ここは「築○年以内は無償、それ以降は実費」「1回○分以内の作業までは無償」といった社内ルールを事前に明文化し、機械的に処理する運用が有効です。担当者の裁量に判断を委ねない仕組みを整えることが、施主間の不公平感やクレームを未然に防ぎます。
ここまで整理した線引きを、社内文書として書面化しておくことがトラブル回避の要になります。アフターサービス規程に盛り込むべき項目は次の5つです。
上記のような内容を「アフターサービス基準書」として契約時と引渡し時に書面で説明・交付し、施主の署名を得ることで、その後のトラブルの多くは未然に防げるでしょう。メンテナンス内容や期間を明確に伝えてくれるかどうかは、施主側から見た工務店選びの信頼ポイントでもあります。
規程を整えても、実際に定期点検を予定通り回す人手が足りないと、有償対応につながるはずのリフォームや追加サービスの提案機会そのものを失ってしまいます。ここで検討したいのが、定期点検業務を専門会社に外注する「住宅定期点検代行」です。
外注化によって自社の技術者は新築案件やリフォーム受注に集中でき、それでいて無償点検の質を落とさずに顧客接点を維持できるメリットがあります。
もちろん、代行会社に任せるか自社で回すかは、地域性や体制によって判断が分かれるところです。ただ、点検の抜け漏れで顧客との信頼を損なうくらいなら、外部リソースの活用も選択肢に入れて比較検討する価値はあるといえるでしょう。
無償点検と有償点検の線引きは、まず品確法の10年瑕疵担保責任の対象を無償で守り、その外側は「経年劣化は有償、施工不備は無償、グレーゾーンは事前ルールで機械処理」を軸に決めるのが基本です。
判断基準を規程として明文化し引渡し時に施主へ交付することで、担当者ごとのブレと施主とのトラブルを防ぎ、長期的な信頼を築くことができます。
施主に費用を請求するシステムのため、コストをかけずに点検サービスを導入可能。施主とのやり取りもすべて対応するので、人件費もかかりません。
専用のWEBサイトにより点検履歴をリアルタイムで確認できます。
リスクを早期発見し、リフォームが必要なお宅への営業アプローチもかけやすくなります。
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入居者向けコールセンター業務を主事業とし、多様な問い合わせに対応。点検日程の変更や急な要望にも24時間365日スピーディに応えられる体制が整います。
賃貸物件でよくある水道・電気・ガス設備などの故障トラブルに駆けつけてくれます。
その場で簡単な応急処置を行い、管理負担を軽減してくれます。
全国対応
電気工事業認可などの資格者が専有部メンテナンスを実施。ライフラインの特徴を把握し、経年劣化を早期に発⾒。建物の資産価値低下を防ぎます。
共用部点検はもちろん、理事会の運営支援や総会のサポート、会計業務支援まで幅広く対応可。複雑化しがちな組合業務を助けてくれる頼もしいパートナーです。
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